日本障害者リハビリテーション協会と共に昨年度より、CBID(Community-Based Inclusive Development:地域に根差した共生社会)について学ぶ学習プログラムの開発を行っています。CBIDはCBR(Community-Based Rehabilitation)の考えを実現するための地域づくりの考え方です。日本では厚生労働省が「地域共生社会」の考えを示し、重層的支援体制の整備事業などを展開しています。CBR、CBIDはWHO(世界保健機関)などが提唱する世界規模の考え方で、地域共生社会ともリンクするものがありますが、こうした考え方や取り組みをより支援していくための1つとして、今回の学習プログラムの開発があります。

昨年度より開発をはじめ、プロトタイプが完成したのを受け、今年度は各所で試行(デモンストレーション)を行いながら改良・普及を行っていくことになっています。今回は松本大学の尻無浜先生にご協力を頂き、学習プログラムへの参加と事後のフィードバックを頂きました。
IMG_3471
このプログラムはカードゲームを通して、地域内の支援者が連携をしながら社会の課題やニーズを抱えている方の支援体制を構築することを体験する内容になっています。個人では支援に限界があるため、チーム内で出来る支援を持ち寄り、ニーズに応えていきます。ゲーム自体はおよそ60分ほど、そのあと30分から60分ほどのふりかえりを行い、全体では90分から120分程度の学習プログラムとなっています。

今回は大学生、社会福祉協議会など支援現場にいる方、大学事務の方などにご参加頂きプログラムを体験していただきました。そのあとのふりかえりでは、「この体験から何が学べるか?」「どう使っていくことができるか?」「これからの改善点はあるか?」などについてご意見を頂きました。引き続き、改良を加えていきながら各地で展開をしていきます。

終了後には、リハビリテーション協会の方とふりかえりのふりかえり、を行い、今後の展開やより応用編まで含めた事業化について話をしました。厚労省の目指す「地域共生社会」、重層的支援体制の整備に向けて支援者がどんなことを学び、どんな能力を身につける必要があるのか?その学びを支援するために、どのような学習・研修プログラムが求められているか?などを話しました。CBIDの取り組みは、行政がいまだ脆弱なアジア、途上国ではより浸透し試行がなされています。支援体制や資格、職種ごとの住み分けがハッキリしすぎている日本だからこそ、横断的な活動が難しいという課題も想定されるなかで、どのように支援者教育を行っていくのがよいか?は更に検討していきたいと思います。