名古屋外国語大学現代国際学部で開設されている「PBL Governance」の集中講義の第1日目を行いました。グループワークなどが多く、通常の90分×15回の講義形式では実施がしづらく、集中講義の形をとっています。
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教室はワークショップやグループワークをするのに適した教室を準備頂きました。靴を脱いで入室し、テーブルは円形で、グループで囲みやすいようになっています。ホワイトボードの大きなパネルがあり、2枚を組み合わせて立てかけることができ、グループワークをするときに板書したりもできます。初めて使用する教室で、勝手が分からず、初回の講義では十分に使いこなせなかったのが残念。次回はもっと有効に教室を使っていきたいと思います。

初回の講義(4コマ)では、講義概要を説明したうえで、この講義全体のルール(大切にしたいこと)を伝えました。ジョハリの窓や個人の成長モデルを紹介し、チャレンジをすること、自己開示やフィードバックをお互いに受け入れ、歓迎する風土を講義全体を通して大切にしたい、ということを共有しました。
「PBL Governance」という講義タイトルですが、社会のなかでの合意形成や多様性を受け入れる風土づくりという点からファシリテーションについてを主題にしています。ファシリテーションは単なるテクニックではなく、態度やありようこそ大切です。他者からのフィードバックを受けながら自らの態度やありようを見つめ直すことによって、ファシリテーターとして成長していくことができます。この講義がその練習の場となることを目指し、そのためには受講者全員でその風土をつくっていくことが大切だと考え、講義の最初にこのようなことを伝えるようにしています。

続く小講義では、近年ファシリテーションが注目されるようになった経緯を社会の変化などから紹介しました。そしてファシリテーターとしてのまなざし、態度などを伝え「聴く・みる・判断する」のトレーニングを通して、ファシリテーションを深めていくことを伝えました。

まずは「聴く:傾聴」のトレーニングです。
3人組になって、話す・聴く・観察するの役割に分かれ、演習をし、ふりかえりを通して、自らのききかたや傾聴とは?について深めていきました。話し手や観察者からのフィードバックから、自分の聴き方の癖、相手からどのようにみられているのか?を感じることができました。最後に、中間レポートとしてのインタビューについて講義と準備を行い、講義は終了しました。

ジョハリの窓や成長モデルを紹介したことで、自己内省や他者からのフィードバック、自己開示への動機づけが行われているように感じます。グループワークのふりかえりでも単に「良かった、悪かった」ではなく、「どんなことを感じていたか?どんな疑問、不安があったか?」などが語られている姿が見られました。一日の講義のふりかえりでも、『「こんなことを考えている自分」でも良いんだ、と思えるようになった』『今までは「まぁいいや」で言わずに過ごしていたことも言葉にしようと思った』などのコメントがありました。

次回以降の講義でも、さまざまなグループワークを行っていきます。ファシリテーションは他者に向き合う自分のありようが原点にあり、他者との関わりのなかから生まれてきます。まずは自分のありように気づくことが出来るようになる、それを言語化したり、客観視しながら、場に向き合うことができるようになる。講義を通してこうしたトレーニングを行っていきます。