関西大学主催のオンライン研究セミナー「国際共修プログラムの可能性と課題」に
参加しました。福岡女子大学の和栗先生の講演のあと、関西大学の草郷先生の進行
により、関西大学の取り組みの紹介、和栗先生を交えてのパネルトークが行われました。

以前、こちらでも書いたように草郷先生、和栗先生とは大阪大学GLOCOL時代に
JICA研修でご一緒しました。そのときも参加者各人のエンパワメント評価や日々の研修
の学びを振り返るためのリフレクションをプログラム全体に取り入れた研修企画を
行いましたが、和栗さんの講演は当時のことを思い出させるとともに、更にリフレクション
への学びを深める内容でした。

体験がそのまま学びになるわけではなく、そこにはリフレクション(Reflection)が必須
であること、そしてリフレクションとは単にふりかえり、感想を述べることではなく
問いを持って体験を分析的に深めることであることの大切さを改めて気づきました。
コルトハーヘンのALACTモデルが講演の中で紹介されていましたが、特に重要な
「本質的な諸相への気づき(Awareness of essential aspects)」が抜け落ちてしまって
いることがあるという和栗さんのご指摘には、自身もそこへの注意深い配慮がなされて
いただろうか?と反省もしました。
(コルトハーヘンの論文等はウェブサイトから閲覧できます:英語)

「本質的な諸相への気づき」は例えば、
「時間管理がうまくいかなかったから、次からは気を付けよう。時間を意識しよう」
というのではなく、
「なぜ時間への意識が出来なかったのか?何が時間管理を妨げたのか?」
という原因の探究であったり
「自分は何を望んでいたか?どう感じたか?」
などの感情も取り扱っていきながら、生じたことの本質を探究していくことにあるようです。
(ここについては、まだ私自身の理解が十分ではないので、引き続き学んでいく
 必要があります)
この「本質的な諸相への気づき」には氷山モデルを用いてDoing(氷山の見える部分)の下
にあるThinking(考える)、Feeling(感じる)、Wanting(望む)に目を向けることが
紹介されています。(例えば中原淳先生のNAKAHARA-LAB.NET 2014.11.03

体験型の学習や研修において、リフレクション、ふりかえりというのは必ず行われますが
単なる体験への感想や反省、次の試行(日常)への改善点の共有(DoingやThinking止まり)
だけではなくFeelingやWantingまでの探究を行い、思考的かつ感情的な納得を十分に行う
ことが必要であること、学習者のこの探究にファシリテーターがどう支援できるか?は
更に深めていきたいと感じました。