Public Heartsの水谷さんからご案内頂き、あすかエネルギーフォーラム
が主催する高レベル放射性廃棄物の地層処分を考えるワークショップの
グループファシリテーターを務めました。

高レベル放射性廃棄物は、原子力発電所で発電を行った際に生じる使用済み燃料
のうち、更にリサイクル(再処理)を行う際に生じる放射性廃液を固化させて
作り出されているガラス固化体を指します。形状としては高さ約1.3m、
直径約40㎝、重さ約500㎏の円柱のようなもののようですが、約25,000本相当
のガラス固化体が現時点ではあるとされています。非常に放射能レベルが
高く危険ではありますが、安全に管理することが可能なものと言われています。
この高レベル放射性廃棄物の最終処分を請け負っているのがNUMO(原子力発電
環境整備機構)
です。最終処分としては地層深くに埋める地層処分という方法が
選択されており、そのための調査研究や国内での処分場の検討などを行って
いるようです。

今回のワークショップには、あすかエネルギーフォーラムの方を始め、各地で
こうしたエネルギー問題、高レベル放射性廃棄物の処理について関心ある方が
集まりました。パブリック・ハーツの水谷さんが全体の進行を務められ、
この問題を難しく考えるのではなく、簡単に楽しく学ぶためにつくられた
NUMOMOという実習を使って、グループでの意見交換を行いました。
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この問題についての場も、NUMOMOも初めてでしたが、誰でもが簡単に実習
に入ることが出来、またさまざまな視点でこの問題を考えることが出来ました。
既にこの問題について関心があり、知識もある方が多かったので、よりその
中身が深まったとも考えられます。ファシリテーターとしてグループに参加
していましたが、私自身たくさんのことを学ばせて頂きました。
最終的には、どこに埋めるか?を決めなければいけませんが、そのためにも
正しい情報を発信すること、国民が誰かのせいにするのではなく、自分事として
知ること、受け入れる場所だけの問題ではなく、周辺の含めて国が責任を持ち
責任を共有すること、そうした周囲の理解と環境づくりがまずは大切ではないか
という話が多かったように思います。

私自身も含め、この国は、原子力発電によって生み出される電力があって
暮らしも経済も成り立っており、既にそれを消費してきた事実があります。
その過程で生み出された高レベル放射性廃棄物を関係ないとすることは出来ず
押し付け合うのではなく、その恩恵を受けてきた国民全員が考えなければ
いけない問題だと思いました。SDGsのゴール12に「つくる責任、つかう責任:
持続可能な生産消費形態を確保する」というのがあります。未来に向けたエネルギー
問題は当然考えなければならず、その中で原子力発電についても議論は必要です。
しかし原子力発電のこれからを考えることと、既に消費され作り出された高レベル
放射性廃棄物の問題を一緒に議論するのは誤りであり、「使う責任」の問題として
この問題について、みんなが目を背けず議論をする必要があります。この使う責任
を考えることで、改めてこれからのエネルギー問題、「つくる責任」をも考えて
いくことができるのではないでしょうか。